アドラー心理学「嫌われる勇気」をわかりやすく解説します。
嫌われる勇気を読んでみたいけど、どんな内容なの?
実際に読んでみたけど、理解が追いつかなかった。結局、どういうこと?
こんな質問を受けたので、記事にして解説していきます。
今回の「めあて」はこんな感じです。
- 嫌われる勇気をわかりやすく解説できる
嫌われる勇気というのは、大ベストセラー本です。
アドラーの心理学をもとにした考え方ですが、対話形式で読みやすく書かれています。
これを読むことであなたの人生は確実に変わりますよ。
- アドラー心理学をもとにして生きています
- 嫌われる勇気を読んだ後から、周りの目が気にならなくなりました。
- 僕は今、幸せです。
それでは早速、記事をみていきましょう!
始めに言っておきますがめちゃ長いので要注意です。
目次
嫌われる勇気の要約
誰かの期待を満たすために生きてはいけない。
対人関係の悩み、人間関係の悩みを100%消し去る「勇気」の対話編。
また、「自由とは他者から嫌われることである」ともありますね。
実際、この本を一言で表したらこうなるんですよね。
読めばわかりますよ。
嫌われる勇気の問題点としては、ちょっと哲学的なので、たまに難しく感じることがありますね。でも、ちゃんと読めば理解できますよ。
嫌われる勇気をわかりやすく解説
嫌われる勇気は5つの章からできているんですね。
それは以下の通りです。
- トラウマを否定せよ
- すべての悩みは対人関係
- 他者の課題を切り捨てる
- 世界の中心はどこにあるのか
- 「いま、ここ」を真剣に生きる
この5つの中でさらに細分化されて様々な「教え」があります。
それぞれの章ごとにわかりやすく解説していきますね。
第一章:トラウマを否定せよ【原因論と目的論】
あなたは「トラウマ」ってありますか?
過去にひどいことをされた、嫌な経験をしたなどですね。
程度に差はあっても、大体の人が嫌な思い出というのはあるのかなって気がします。
ここで質問です。
あなたの「今」は、過去によって形成されていますか?
これは半分Yesで半分Noです。
確かに、過去の出来事が、今のあなたに影響することはあります。
ですが、今この瞬間を生きているあなたは、「今」のあなたが決断して生きていますよね。
もしも、過去によって今のあなたが作られるというのならば、今のあなたには「決定権」がないですよね。
こういう子育てをされた人はこのような人生を歩むみたいな感じです。
確かに、影響はあるかもですが、あなたが生きていく中で、常に、その「今」を生きているあなた自身が、その都度、決断を下して生きていますよね。
つまり、アドラーの心理学によると、「トラウマ」というものは否定されてしまうわけです。
過去のトラウマがきっかけで今の自分があるというわけではなく、今のあなたが決断して、「今」があるということですね。
これを、アドラーの心理学では、「原因論」と「目的論」という言葉で解説しています。
嫌われる勇気の中では「引きこもりの少年」を例にして紹介しています。
ある、引きこもりの少年がいます。
この少年は社会復帰したいと言いますが、なかなか出てくる様子はありません。
もしかしたら、過去に職場でのいじめなどのトラウマがあったのかもしれません。
しかし、アドラーの心理学的には、トラウマを否定します。
この事実を「原因論」と「目的論」に分けると、以下のようになります。
- 原因論:過去のトラウマが怖い
- 目的論:引きこもっていれば周りの人が心配して大切に扱ってくれる
どうでしょうか。
つまり、この少年は引きこもることで周りから心配して大切に扱ってもらえるから、その「愛情を感じる」目的を達成するために引きこもっているということです。
引きこもりをやめたら、ただの社会人であり、誰も特別扱いしてくれませんからね。
また、怒りというものも、手段の一つであるとアドラーの心理学は考えています。
つまり、怒りというのも「目的論」だということですね。
「怒り」というと、何かが起きたという過去をもとにした行動に見えますが、冷静に考えると、「怒る」ということはしなくてもいいはずですね。
例えば、店員さんがミスして商品をこぼした。その時に洋服が汚れてしまった。
これを、丁寧に「気をつけて」と言えばいいのに、あえて大声を出して怒るということをした。
そんなことをしなくても店員さんは謝罪してくれるはずなのに、「大声を出すことで相手を屈服させよう」という目的を達成させるために、怒りという手段を使ったということです。
仮にこのタイミングで、お偉いさんから電話がかかってきたら、笑顔で電話に出れますよね。そして、電話が切れたら、また怒る。
怒りという感情は出し入れ可能な道具というわけです。
相手がミスしてから怒る(原因論)ではなく、相手を屈服させたくて怒る(目的論)ですね。
結論として、アドラーの心理学としては何が言いたいのか。
根本にあることは、「人は変われる」ということですね。
つまり、過去が原因で今が作られているという「原因論」ではなく、今のあなたがどんな目的で行動しているかという「目的論」が大切ということ。
では、過去に支配されない生き方をするにはどうしたらいいのか。
この時に意識して欲しいことがあります。
- 生まれ変わること=「不安」
- 生まれ変わらないこと=「不満」
変化しようとすると、今まで通りではない、未来が見えない状態で不安になる。
しかし、変化がないと、今の現状に不満が出る。
あなたはどちらがいいですか?
不安はあるけど、幸せになるために生まれ変わるのか、何も変わらず不満を言い続けるのか。
「自分が幸せになるための変化をする」という決断の勇気が足りてないのではないでしょうか?
これがアドラーの心理学の一部です。
第二章:すべての悩みは対人関係
アドラーの心理学にとって、あなたの悩みは全て人間関係にあると考えてしまいます。
ここでいくつか嫌われる勇気でも解説されている例を出してみますね。
- 自分のことが嫌い
- 劣等感
自分のことが嫌いという人がいるとします。
果たしてこの人はなぜ、自分のことが嫌いなのでしょうか。
それは、誰かと比べて自分が劣っているという感覚からでしょうか?
アドラーの心理学では違うんですね。
先ほどの目的論でいうように、「自分のことが嫌い」というのも、ある目的を達成するために自分で決断したということになるわけです。
ではなぜ、自分から「自分が嫌いである」という決断をしているのか、それは、「あなた自身が欠点を持っている人」でありたいからです。
もう少しわかりやすく言うと、例えば「友達に嫌われる時の言い訳」が欲しいということですね。
嫌われる理由を自分の欠点のせいにしたいから、あなた自身が「自分のことを嫌いでありたい」と考えちゃうってことです。
そしてもう一つは劣等感です。
アドラーの心理学では、人と比べるということをしていません。
人々はみんな仲間であり、人生で競争することはないってことですね。
人々はとある平面の芝生の上を右に進んだり左に進んだりしているだけと考えます。
それに勝ち負けも競争もないわけです。
確かに、誰かと比べることで、成長することができるので、悪くはないのですが、正しくは、理想の自分と比較することがいいとアドラーの心理学は提案しています。
周りと比べるということが癖ついてしまうと、周りの人が比較対象の「敵」になってしまいます。
勝ち負けという発想をやめると、周りの人は比較対象の「敵」ではなく、「味方」へと変わります。
これにより、人間関係の悩みも激減しますよね。
このように、周りを味方にして、自分に注目して成長するために、アドラーの心理学では、以下の目標を提案しています。
- 自立すること
- 社会と調和して暮らせること
- 私には能力があるという意識を持つこと
- 人々は私の仲間であるという意識を持つこと
そして、この目標を達成するためには、3つの人間関係をコントロールしなきゃいけないわけです。それは何かというと。
- 仕事関係(仕事仲間、取引先)
- 交友関係(友達)
- 愛情関係(恋人、親子)
これらの人間関係を上手に作り上げることが必要だということですね。
それでは、具体的にどうやればいいのかということを、次の章で解説します。
第三章:他者の課題を切り捨てる【課題の分離】
上手な人間関係を作り上げることに必要なのは、「嫌われること」であるというのが、アドラーの心理学であり、この嫌われる勇気の一番のポイントです。
嫌われることとは、「悪いことをする」ということではないんですね。
ここは勘違いしちゃいけません。
「嫌われること=自由になること=自分の人生を生きること」というわけです。
つまり、どういうことかというと、自分のことは自分で決める。相手のことは相手が決める。
だから、相手は自分のことを変えることはできないし、相手も自分のことを変えることができないということです。
こうやって書くとなんとなくわかってきますよね。
アドラーの心理学において、承認欲求は否定されます。
承認欲求とは、誰かに認めてもらいたいというものであり、それでは誰かに認めてもらうために生きているわけで、自分のために生きてはいないですからね。
確かに、誰かに認めてもらうことは嬉しいことですが、そのために行動するのではいけないということです。これは、嫌われたくないと言っているのと同じですよね。
嫌われたくないと言って、周りの人の言うこと全てにYesと答えていたら、予定が被ってしまったり、あなたが無理をしてしまったりしてダメになっちゃいます。
あなたがこれからどんな決断をするかはあなた次第。そして、それに対してどんな評価をするかは周り次第。
たとえ、親を泣かせるなと言われても、冷たい人間だと言われても、それは相手が勝手にそう感じているだけで、あなた自身には全く関係がないということです。
周りの目を気にして生きていては、あなたは一体、なんのために生きているのか、わからなくなりますよね。
あなたがあなたらしく好きなことをできるのならば、嫌われてもいいじゃないですか。
それで、相手に嫌われるかどうかは、相手次第です。自分ではコントロールできませんよね。
つまり、「嫌われなさい」というわけではなく、「嫌われる勇気を持ちなさい」という感じですね。
第四章:世界の中心はどこにあるのか【共同体感覚】
嫌われる勇気を持ちなさい。そうすれば、周りの目を気にしなくて済む。
つまり、自由になれる。こんなことを先ほどアドラーの心理学で解説しました。
これを聞くと、「孤独になれ」ということなのか?
みたいに感じるかもしれませんね。
しかし、この嫌われる勇気を持ち、課題の分離を行うことは、スタートラインであると、アドラーの心理学では言っています。
では、ゴールはどこなのか。それは「共同体感覚」であると言います。
- スタートライン:課題の分離
- ゴールライン:共同体感覚
ちなみに、課題の分離とは「自分のこと」と「相手のこと」を分けることでしたね。
課題の分離を簡単に復習すると以下のような感じでした。
自分が何をするのか、何を考えるのかは自分次第。
相手が何をしようと、何を思ったり感じたりしても、相手次第。
では、この共同体感覚とは、どういうものかというと、簡単に言えば、「自分は生命の一部である」という感じですね。
たくさんの人がいて、未来や過去があって、人間や植物、動物、そんな中の一部。という感覚です。
そして、人はこの一部でありながら、「その周りにいる人たちに貢献できるんだ」と感じることで、自らの価値を実感できるということなんです。
実は、この時に重要なことがあります。
それは、周りの人たちと、縦の関係ではなく、横の関係を作る必要があるということです。
アドラーの心理学では、「褒める」「叱る」を禁止します。
これらは他者を評価する行為だからです。これをした時点で、褒められるために頑張ろうとかなってしまうし、上下関係が生まれるからですね。
そうではなく、「勇気づけ」をしてあげようと言います。
たとえば、「頑張れ」「ありがとう」「助かったよ」みたいな感じ。
横の繋がりにするということですね。これが共同体。仲間という感覚です。
周りの人に貢献できているというと、結局、周りの人の評価か?というかもしれませんが、そうではないんですね。
簡単に言えば援助しあう。助け合いという感じです。
ここでもう一度、課題の分離を出しますね。
馬を連れた人が、水を飲ませてあげようと、水辺まで連れて行く。
しかし、ここで馬が水を飲むかどうかは、馬次第である。
これが、課題の分離でしたね。
そこで、馬の首を掴んで強引に水を飲ませるのが、他社の課題に介入してしまうこと。
援助とは、馬が水を飲みやすいように、水をすくってあげることです。
その結果、出てくる言葉は、「ありがとう」ですよね。
これが助け合い。共同体感覚です。
ただし、誰とでも横の関係を築けというのなら、新人社員と、社長も同じように扱うべきかというと違和感を覚えるかもしれませんね。
確かに、年長者を尊敬したりとかは大切ですが、それでもお互いに自分を持って、「しっかりと意見を言い合うことが大切」というわけです。
世界の中心は自分ではなく、そもそも、中心というのは無いということですね。
第五章:「いま、ここ」を真剣に生きる
いよいよ最後です。
共同体感覚の深いところまで話が進みます。
共同体感覚を持っていれば、周りの目を気にしなくていいし、助け合いという感じでみんなで生きて行く感覚があり、自分には「この世」という居場所があるって感じでしたね。
ただ、周りの目を気にしないといっても、無邪気な自分にはなれないと感じる人が多いのでは無いでしょうか。
これはやっぱり、まだまだ共同体感覚が身についてないということですね。
ここで、アドラーの心理学では、以下の3つを提案しています。
- 自己受容
- 他者信頼
- 他者貢献
「自分のことに執着して、周りの評価を気にすること」を、「他者への関心」に切り替えることで、共同体感覚を身に着けることができるわけです。
そこで必要なのが、上記の3つです。
自己受容
アドラーの心理学では、「他社から何が与えられるかではなく、与えられたものをどう使うかが大切」といいます。
相手から何が与えられるかは変えようの無いことですが、それをどう使うかは自分で変えることができますね。
つまり、これと同じで、自分というのは交換することができないものですが、この自分をどう使うかは変えることができます。
そのためにはまず、変えることができない自分を受け入れることから始める必要があります。
他者信頼
相手を信頼することも大切です。
無条件に相手を信じるということでは無いですが。
つまり、相手を疑い続けるのはよく無いということです。
相手を信じるからこそ、深い関係になることができ、対人関係の喜びは増し、人生の喜びも増えていくということです。
他者を仲間とすることを目指している中で、他者を信頼することは大切ですよね。
確かに、裏切られることは怖いかもしれませんが、それは相手の課題であり、自分ではどうしようも無いことですよね。
でもやっぱり、裏切られたら悲しい。
そんな時は、素直にその気持ちを受け入れてあげましょう。
その痛みを初めから避けようとするから深い人間関係が作れなくなるわけですからね。
他者貢献
この嫌われる勇気のまとめとなるのが「他者貢献」です。
他者貢献とは、いわゆる助け合いです。
ありのままの自分を受け入れて、周りを仲間とみて(信頼して)、そして、仲間のために貢献する。
そうすることで、「私は誰かのために役に立つことができる」という感覚を得ることができますよね。
同時に幸福感を得ることができます。
なかなか実践するには難しいと感じる人が多いかもしれませんね。
また、誰かのために行動することができないのは、その前の段階の「自己受容」や「他者信頼」をする勇気がたりてないとも考えられます。
ありのままの自分を受け入れるというのも、実は難しいことですよね。
なぜならば、ありのままの自分を受け入れることで、「言い訳」することもできなくなるから。
「自分は○○だから」上手くいかないんだ。
そういうことが言えなくなりますよね。
このようにいうと、「周りからばかにされたりすることも、自己受容できない、他者信頼できない理由になるのでは無いか?」と思う人がいるかもしれませんね。
確かにそうですよね。そうやって周りから批判されたりしたら、そうなりますよね。
しかし、そういう人は、あまりいないのも事実ですよね。
10人中2人はファンになってくれて、7人はどちらでもなくて、1人はアンチみたいな。
どの人に注目するかです。たった一人のアンチをどうするかで違いますよね。そういう人は切り捨てていいです。
最後に、アドラーの心理学では「今」を生きようといいます。
これまでに、「原因論」と「目的論」の話をしたように、過去により「今」が作られているというわけではないよって話をしました。
同じように、アドラーの心理学では、未来に向かって今を生きるというのも違うといいます。
将来のために頑張るというより、今目の前のことに注目して、今目の前のことを必死に頑張ることが大切ってことですね。
人生における最大の嘘、それは「いま、ここ」を生きないことです。
過去を見て、未来を見て、人生全体にうすらぼんやりとした光を当てて、なにか見えたつもりになることです。
「嫌われる勇気」アドラー心理学
しかし、人生に「意味」というものは無い。やりたいことがわからない。なんて人もいますよね。
そんな状態の時、「他者貢献」をするために行動すればいい。そうして、今を一生懸命に生きればいいといいます。そうすれば、勝手にどこかへ導かれて行くので。
嫌われる勇気の感想
過去、未来、周りの目、そのようなものから解き放たれた時、自由になるのかなという感じがしましたね。
そして、自分らしく生きていけるのかなとも。
「嫌われる勇気」とは、決して、嫌われるような人になろうとか、嫌われない努力をしようというものではありませんでした。
嫌われない勇気とは、「ありのままの自分を受け入れて、周りの仲間達とともに、助け合いながら、今を生きよう」ということでしたね。
この考えをすぐに理解することは難しいかもしれません。
しかし、この考えを理解できた時、自分のものにできた時、あなたの人生は、今すぐにでも変わるはずですよ。
僕がこの本を読んだのは2年前くらいです。
最近、久々に読み返しましたが、理解がさらに深まりましたね。
当時、この本を読んだ時、難しいなという印象を持ちましたが、僕は元々この本に書かれているような、「みんな仲間」という考えを持って生きていたので、理解するまでに時間はかかりませんでした。
しかし、僕にとって難しかったのは、ありのままの自分を認めることでした。
ここにはだいぶ苦労しましたが、今ではかなり、自分を受け入れられるようになりました。
やはり、一番は「勇気」ですよ。
嫌われる「勇気」を持つことができるかどうか。
あなたも、この本を読めば自由になれますよ。
あなたの人生がより良くなりますように。